実現可能と事実

 この記事を見て思ったのは,タイトルのようなこと。再現写真で示せるのは“実現可能”と言うことであって,事実であると“断定できるというわけではない”ということだ。つまり,私にとびっきり美人の奥さんが現れる,ということはあり得ない話ではないが,事実ではない,ということだ。もちろん“不可能”という主張に対する反論にはなりうるが,それでも非常に危険なものだ。
 なぜなら,写真というもので示されたのであれば,記事にあるような“一般人である”裁判員に先入観なり思いこみなりを強く与えてしまうのではないか,という心配があるからだ。悪魔の証明の重要性を一般の人がどれだけ意識していられるか,ということもあるわけで,これはかなり厳しい。というか,そこまで判断できた最高裁判所の裁判官の見識に敬意を表すとともに,下級裁判所の裁判官はやはりそういう所なんだろうな,と感じた。